013:全く異なる2種類の「企画アプローチ」とは?

こんにちは。

今週は「BBTアイデア天下一武道会」では17位だったので、思考ライブはお休みして「着想」の理論編にお時間をちょうだいします。決して拗ねてるわけではないです、決して^^;。

007回で「前例起点発想&Break the Bias」の発想法を取り上げ、そこから思考ライブを用いて、実際にどうやって企画を発想していくのかを実況中継してきました。実際に面白い企画を考える際に私が一番多く使うのが「前例起点&Break the Bias」着想法なのですが、その方法だけではうまくいかない場合がありますので、実際にはその他に5つの合計6つの発想法を駆使して仕事をしています。

今回はその6つの発想法をご紹介したいと思います。(簡単に)

以下がその「6つの技」です。私はマジでこの6つを駆使して企画を考えています。

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ひとつずつ解説して行く前に、ちょっと大事な考え方というかスタンスについてお話しさせてください。

普通「企画を考えろ」と言われると、ユーザーのニーズや困りごとを調査して、そのニーズや困りごとを解決するソリューションを考えますよね?

その考え方をUX(ユーザーエクスペリエンス)アプローチと呼びます。

世の中には、全然UXを考えられてない商品とかサービスはいっぱいあるので、それを改善するためにはUXアプローチは有効です。

でもですね、でもですよ、ある程度成熟したマーケットで散々競争を繰り返ししている商品・サービスにおいて、UXがイマイチなまま残ってる余地ってどれだけあるでしょうか?いや、もちろん完璧な商品・サービスなんて無いし、ユーザーの変化に合わせて商品・サービスも変化しなきゃいけないのでUXアプローチの企画は必要なんですが、それだけやっててもひしめく競合と差別化できますか?という話です。ダントツな成果を出せますか?という話です。

そこで必要になるアプローチがBB(Break the Bias)アプローチなんです。これから取り上げる6つの発想法がBBアプローチです。

そして、もし皆さんが成熟マーケットの成熟商品に携わってらっしゃるなら絶対に身につけなきゃいけないのがBB アプローチだと僕は思います。

巷ではイノベーション!イノベーション!と騒がれてますが、イノベーションはBBアプローチを取らない限り生まれません。イノベーションを謳いながらUXアプローチを一生懸命教えているのは意味不明な講座です。ビジネスモデルキャンバスをただ埋めるだけでイノベーションは絶対に生まれませんし、リーンスタートアップ手法をどれだけ実践しても生まれません。そもそもの考え方が間違ってるんです。

どうしてか?

僕のイノベーション思考の師である濱口秀司さんが「頭のいい人たちが必死に考えている【考え方】でブレークスルーできていないなら、あなたが同じ【考え方】で考えてもうまくいくわけがない」と教えてくれました。

本当にその通りだと思います。

だからこそ、私は「前例起点発想&Break the Bias」を企画発想の基本の型として身に着けたいと思いますし、みなさんにも是非とも知っていただきたいのです。

前書きが長くなりました。
それでは、BBアプローチのための「6つの技」をご紹介します。

本当はお題を出しながらワーク形式で身につけないと意味がないので、ここでは超簡単な紹介程度になってしまうことをお許しください。

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①trade-off break

1つ目はtrade-off breakです。

世の中にはトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の関係が存在します。例えば「品質とコスト」。高品質な商品を提供するには材料費や加工の手間でどうしても高コストになってしまう。でも、もし、低コストだけど高品質(だとユーザーが感じられる)な商品が作れたら、もうそれはイノベーションですよね?

常識的な人が「前提」として受け止めているトレードオフを敢えて構造的に崩すことで強制発想する方法です。

 

②approach break

2つ目はapproach breakです。

これは、結構難しいんですが、とてもパワフルな技です。例えば、ある飲食店が顧客満足度を上げてリピート率を向上させようとするときに、普通のコンサルタントを雇うと、顧客が入店してから退店するまでのフローを分析し、どのプロセスにどんな課題があるかを整理して、それぞれのプロセスにおける改善効果を見立てて、優先度をつけて、どこから手を付けるべきか提案してくれるわけです。approach breakでは、そのアプローチ自体が間違ってるという思考をするわけです。

どういうことかと言うと、「プロセスを分解して、それぞれのプロセスの課題を解決しようとする」というアプローチを否定するわけです。その代わりに「どこか一つのプロセスを劇的に改善することで、その前後のプロセスにいい影響を与えるような方法はないか?」と考えるんです。各プロセスが独立したプロセスで他のプロセスに影響を及ぼせないと考えている時点で、つまらないアプローチだと考えるわけです。

例えば、出てきた料理写真を美味しそうに撮れる照明やテーブルクロスを死ぬほど工夫することで、料理写真を後日ソーシャルでシェアしたい気持ちが高まり、写真をシェアすることで、数多く訪れる飲食店の中でも鮮明に記憶が残り、リピート率が高まる可能性があるわけです。この企画がいいかどうかは別にして、コンサルタントがプロセスごとに課題解決する発想ではこういう企画が出てこないことをイメージしていただければ大丈夫です。

 

③bias break

3つ目はbias breakです。

これは、007回で解説しました。普通の人ならどういうアイデアを考えるかを考え、そのアイデアがなぜ面白いのかの要素を2つ選んで抽出し軸にして表現。その2軸の対極にある概念を強制発想する方法です。

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詳しく知りたい方にはこちらの書籍がオススメです。

④再定義

4つ目は再定義です。

例えば「新しい目覚まし時計を企画しろ」とお題を出された場合、普通だったらいきなり考え始めますよね?でも、再定義の技を使う時は「そもそも目覚まし時計って何だ?」という問いに答えることから始めるんです。どうやって定義しますか?

ここでどうやって定義するかによって、その定義を満たしてる限りは、他の要素は何をどう変えても大丈夫なわけです。変えない部分が明確になることで、変えていい部分が明確になって大胆な発想が可能になるわけです。

本当は具体例を出して解説したいのですが^^;今回は省略します。

 

⑤再セグメント

5つ目は再セグメントです。

これは、普段使ってるセグメントを使って考え始めないということです。既存ビジネスですと、普段からよく使ってるセグメント分けがあるわけです。例えば、「新規顧客‐既存顧客」「甘口派‐ビター派」「顕在層‐潜在層」とかです。

でもこういったセグメントって今の既存ビジネスを回していくうえで便利なセグメントなだけで、これを使ってる限り、新しいことは思いつきにくいという制約にもなってるんです。

例えば、缶コーヒーマーケットで「甘口派‐ビター派」みたいなセグメントで会話している限り「朝専用缶コーヒー」なんていう企画は出てこなかったはずですよね?

今までにないセグメント分けを先に考えることで、既存の制約から解放されます。

 

⑥大切にしてることを否定する

6つ目は劇薬です。でも劇薬だけに効果は大きいです。

どういうことかというと、既存ビジネスが大事にしていることのせいで、犠牲になってる価値を復活させる技です。あるいは、既存ビジネスが大切にしていることを実現する「やり方」を否定する。

例えば、店員のサービス品質を売りにしている飲食店は「店員とお客様との会話」を大切にしてると思うのですが、そのせいで「お客様同士がゆっくり会話する」という時間を奪っているわけです。顧客は決してそんなこと言いませんが、ちょうど話が盛り上がってるところに、どう見てもわかる料理の説明でカットインされてされるとイラっとするわけです。顧客が言わないから店は気付かない。

このお店はさらなる品質UPのために店員に料理に関するうんちくをインストールしたりするわけなんですが、僕はその方向はもう面白くないと感じるんです。やるならお客様同士の会話が盛り上がってる時間を尊重する方向で企画する。例えばプラスチックの札をひっくり返して「トークモード」にしておけば、店員にカットインされず、そーっと料理を置いて行ってもらえるモードを用意するなどですかね。

 

ちょっと時間と気力の関係上、文字という媒体で今回の内容を伝えるのが限界を迎えつつあるので、今回はこのぐらいにさせてください。

こおの6つの技は身に着けたらものすごくパワフルだと信じていますので、トレーニング講座化して、希望者には提供できるようにしたいと考えています。

お楽しみに!

ちなみに17位だった先週の「BBTアイデア天下一武道会」のお題と私の回答は以下でした。「ビジネスパーソンのマニアックなニーズ」という言葉に囚われすぎて、失敗したという反省です。

【先週のお題】

先日出張先で、「快眠ルーム」を謳うビジネスホテルの部屋に泊まりました。せっかくの「快眠ルーム」だったのに、ホテルに帰ってからの仕事量が多く、ほぼ徹夜で、寝ることなくチェックアウト…。最近は「快眠」「温泉」「朝食」を謳うビジネスホテルが多いですが、どこも個性がないなぁ。そこで、従来のホテルにはない、ビジネスパーソンのマニアックなニーズに応える「部屋」を考えてみましょう。

私の回答はこちら。(17位のお恥ずかしい回答です^^;)

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そいでは!

※企画道ブログにリクエストしたいテーマがあればコメント欄に書いてください

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